0:00 翻訳: Suzuka Fukami 校正: Tomoyuki Suzuki
0:06 彼の顔は世界中で知られています
0:09 後に革命の象徴となった若い医学生です
0:13 しかしチェ・ゲバラとは 貧民の英雄だったのでしょうか?
0:16 それとも抑圧という遺産を残した 無慈悲な指導者だったのでしょうか?
0:21 「静粛に 静粛に
0:22 どこかで見たことのある顔だが」
0:25 「えへん 裁判長 こちらはエルネスト・チェ・ゲバラです
0:29 1950年代初めに
0:30 彼はアルゼンチンの医学生としての 恵まれた生活を後にし
0:35 ラテンアメリカを縦断する 地方の旅に出ます
0:38 貧困や悲惨さを目の当たりにした彼は 人々の命を救うには
0:41 医学以上のものが必要だと 確信しました」
0:44 「そこで 暴力を使った—
0:45 ラテンアメリカ各国政権の転覆を目指す テロリストとなったのです」
0:48 「何だって?」
0:50 「地域行政は残酷な寡頭制で 成り立っていました
0:52 植民地主義は 表向きには 終わっていたにしても
0:54 依然として上流階級が 全ての富を支配していました
0:57 先住民から取り上げていた土地を アメリカの企業が買い占め
1:02 それを利益や輸出に利用し
1:04 しかも 地元住民が飢えているのをよそに ほとんどの土地が未耕作のままでした」
1:09 「投票による改革は不可能だったのか?」
1:11 「試みはあったんです 裁判長
1:12 1953年にチェは
1:15 民主的に選出された アルベンス政権下のグアテマラを訪れました
1:19 アルベンス大統領は
1:22 これら未耕作の土地を一部 国民に再配分し
1:25 土地所有者には補償金を払う改正案を 通過させました
1:27 しかしアルベンスはCIAに後押しされた クーデターで倒されました」
1:31 「軍は私有地が没収されないよう 権力が共産主義の手に落ちないよう
1:34 守ろうとしていたのです」
1:36 「彼らは企業の利益を保護しており
1:38 チェは 彼らが自らの利益を脅かす どんな政府も打倒するために
1:41 共産主義に対する恐怖心を 利用するだろうと気づきました
1:45 そこで彼はグアテマラでの教訓を メキシコで活かしました
1:48 現地では 亡命中のキューバ人の 革命家たちと出会い
1:51 彼らの国の解放に 協力する決意をしました」
1:53 「活気あるキューバをフィデル・カストロが 独裁国家にするのに協力したわけですがね」
1:58 「革命前のキューバこそ 独裁国家だったのです
2:01 フルヘンシオ・バティスタは 軍事クーデターで政権を握った暴君でした
2:05 彼はハバナを外国人のための 贅沢な行楽地に変えた一方で
2:09 キューバ人を貧困に陥れ 警察の取り締まりで何千もの人々を殺しました
2:15 ケネディ大統領でさえ このことを
2:17 “経済植民地、人権侵害そして搾取の 史上最悪の例”だと言っています」
2:23 「バティスタの落ち度が どんなものだろうと
2:25 カストロが作り出した 全体主義の悪夢とは比較になりません
2:29 強制労働収容所、囚人への拷問が行われ 言論や出国の自由もありませんでした」
2:35 「しかしこれはフィデル・カストロの 裁判ではないのだが?」
2:38 「チェ・ゲバラはカストロによる 権力掌握の立役者だったのです
2:42 チェはゲリラ軍の指揮官として
2:44 地方一帯に恐怖政治を敷き
2:48 諜報員だと疑われる者や 反対する者を殺しました」
2:51 「彼は農民が診療所や学校を 建てるのも手伝っており
2:55 彼らに読み方を教え
2:56 さらに詩を朗読してあげることもありました
2:58 彼の厳しい規律は 反乱軍を援助しているとの疑いのある村全体を
3:01 ためらわず焼き討ちするような ずっと強大な敵に対して必要だったのです」
3:06 「新政権が1959年に権力を握ると すぐに集団処刑を実行し
3:09 何百もの人々を裁判をせずに 殺したことを
3:12 忘れてはいけません」
3:15 「処刑されたのは バティスタの下で大衆を苦しめた
3:18 役人や協力者でした
3:21 人々はこの革命的な正義を 支持しました」
3:24 「人々とは誰でしょうか?
3:25 死刑を求めて叫び 怒る群衆は 民主主義の兆しであるとは言えません
3:29 またそれに加えて 強制労働収容所や
3:32 恣意的な逮捕
3:34 革命後も長く続いた LGBTの人々への抑圧が行われました
3:39 人々がたいていは着のみ着のまま 命を懸けて
3:42 国外逃亡する状況が続いたのには 理由があるのです」
3:45 「それが チェがキューバにもたらした 全てなのか?
3:47 また一つ暴力的な独裁政治が 生まれただけなのか?」
3:49 「そうではありません
3:50 彼は土地の再分配を監督し
3:52 普通教育の制定を支援し
3:54 識字率向上を目指すボランティア団体を組織し キューバの識字率を96%にまで上げ
4:01 今もなお最上位の国の1つです」
4:03 「結果 全ての国民が受け取る情報の 政府による操作が可能になったのです
4:07 チェの財務大臣としての 理想主義的な無能さが
4:10 生産性の大幅な低下を招きました
4:13 労働者の昇給を 道徳的な証明書に置き換えたからです
4:18 彼は全ての報道の自由を抑圧し
4:19 新聞は寡頭制の道具であると 断言しました
4:23 そして ソ連の核兵器を保有するように カストロを説得したのは彼で
4:27 それがキューバ危機という 結果をもたらし
4:30 世界を破滅の瀬戸際まで 追いやったのです」
4:33 「彼は指導者で 官僚ではありませんでした
4:35 それが彼が最終的にキューバを離れ 革命を海外へ広げようとした理由です」
4:38 「それは成功しませんでした
4:40 コンゴで反政府勢力を 集められないまま
4:42 ソ連が反対していたにも関わらず ボリビアへ向かいました
4:45 ボリビア政府はCIAの協力により
4:48 1967年 このテロリストによる 被害が広がる前に捕らえ
4:53 影響力を無くすことができました」
4:55 「一方で彼ら自身がその過程で 国に多大な被害を与えました」
4:58 「ではそれが結末なのか?」
4:59 「違います チェが言ったように 革命は不滅です
5:03 彼は世界中の都市で 公然と悼まれました」
5:06 「逃亡することができた キューバ人は除きます」
5:08 「そして彼の物語は将来何世代にもわたって 若い活動家を鼓舞することでしょう」
5:12 「ふん 彼の政権を経験しない者たちにとっての 流行りの反抗のシンボルですよ」
5:18 「革命のシンボルは 商品化されるかもしれませんが
5:20 より公正な世界についての考えは 残っています」
5:24 「そうかもしれないが コーヒーの“共有”はお断りだな」
5:27 チェ・ゲバラはボリビアで捕らえられ 政府軍により処刑されました
5:32 彼の遺体はそれから30年の間 見つけられることはありませんでした
5:35 しかし彼は英雄として亡くなったのでしょうか それとも既に悪人だったのでしょうか?
5:39 また 革命というものは その思想 それとも 結果によって判断されるべきでしょうか?
5:44 これらが私たちが歴史を裁判にかけるとき 直面する疑問です